日曜劇場「キャスター」は、報道の世界を舞台にした重厚なストーリーが注目されていますが、その物語を紡いでいるのは、なんと6名の脚本家たちによるチーム体制。
一般的に連ドラは“脚本家1名”で進行することが多いですが、「キャスター」ではあえて複数名を起用したことも話題になってます。
この記事では、ドラマ『キャスター』に参加している脚本家たちの特徴や作風、
過去に複数脚本で作られたドラマとの比較、そして「なぜ6人なのか?」という理由まで徹底解説。
脚本家それぞれの得意ジャンルやクセを知ると、ドラマの見方が一気に変わります。
放送をより深く楽しむためのヒントが詰まった記事、ぜひ最後まで読んでみてください。
キャスタードラマ脚本家6人は誰?
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2025年春のTBS日曜劇場『キャスター』、
この話題作を裏で支えているのが、6人の脚本家たちによるチーム体制です。
まずは、気になるその脚本家メンバーを一覧で紹介します。
◆ 脚本家一覧
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槌谷 健(つちや けん)
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及川 真実(おいかわ まみ)
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李 正美(り まさみ)
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谷 碧仁(たに あおと)
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守口 悠介(もりぐち ゆうすけ)
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北浦 勝大(きたうら まさひろ)
一般的な連ドラでは脚本家は1〜2名が通例ですが、「キャスター」では6名という異例の体制。
なぜこのような構成になっているのか、どんな作風や得意ジャンルの人たちなのか。
この記事では、それぞれのプロフィールや代表作の傾向、脚本チームの裏側まで掘り下げていきます。
なぜ6人で脚本を担当?その理由とは
「キャスター」は報道の世界をテーマにしたドラマ。
政治、事件、メディアの裏側といったリアルで専門的な描写が求められる一方で、
キャスターや記者の“心の葛藤”や“人間関係”も丁寧に描かれています。
このように、幅広い視点と感性が求められるストーリーだからこそ、
複数の脚本家がそれぞれの得意分野を持ち寄る形が採用されたと考えられます。
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一人が全体を統括するのではなく
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各話や各テーマに応じて、柔軟に分担しながら執筆
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世界観を共有しつつ、個々の表現を活かしている
まさに“脚本家チーム”で練り上げられた作品なんですね。
社会派ドラマが得意な脚本家たち
特に、槌谷健さん、北浦勝大さんは、「社会的なテーマ」を正面から描くことに定評があります。
報道の倫理や、情報の捉え方、政治との関係――
こうした硬派なテーマを“ドラマとして面白く”見せる力が求められるのが『キャスター』です。
この2人のような社会派タイプの脚本家がいることで、
視聴者に「これ現実にありそう」と思わせるようなリアルさが出てきます。
槌谷健さん、北浦勝大さんが、報道業界のリアルな描写を担当する!
人間ドラマの描写が深い脚本家
及川真実さん、李正美さんの2人は、
人と人との間にある“感情の揺らぎ”を描くことを得意としています。
報道という無機質な世界に見えて、実は登場人物たちはみな葛藤や迷いを抱えています。
家族との関係、過去の傷、仕事への誇りと現実のギャップ。
そんな内面を丁寧に表現するのがこの2人の作風です。
セリフがやたら自然だったり、沈黙に意味があったりする回は、
この2人の手によるものかもしれません。
サスペンス・ミステリーに強い脚本家が深みをプラス
『キャスター』の中でも、「これは完全に事件モノの空気だな…」と感じるような回、ありませんか?
例えば…
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情報リークの真犯人を追う回
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謎の失踪事件を報道の視点で探る回
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記者と警察が対立しながらも真実に迫る展開
こうしたサスペンス色の濃いエピソードには、
脚本家の谷碧仁さんと守口悠介さんの色が特に出ている可能性が高いです。
谷さんは「物語の構造を組み立てるのが非常に上手なタイプ」とされていて、
事件の動機や背景を、視聴者に少しずつ見せながら、
「え、そういうことだったの!?」と驚かせる構成が得意です。
伏線を自然に忍ばせておき、後半で一気に回収するような構成は、
まさに谷さんならではの“ロジカル脚本”の真骨頂。
守口さんは、サスペンスの中でも人間の心理の変化にフォーカスするスタイルが特徴です。
加害者や関係者の背景にあるトラウマや葛藤、
記者やキャスター自身の“揺れ動く正義感”を通して、
ただのミステリーにとどまらない“深い人間ドラマ”へと引き上げています。
6人の作風のバランスが光る構成
それぞれの個性を活かしつつ、全体としては統一感のある世界観を築くというのがこのドラマのスゴさ。
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緊張感ある事件シーン → 社会派メンバー
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静かに染み入る会話シーン → 人間描写タイプ
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どちらも交互に現れる回 → 複数人の共同脚本かも
視点の違う脚本家が集まっているからこそ、
一話ごとに雰囲気が少しずつ変わる“味わい”があり、
視聴者の飽きを感じさせない構成になっているんですよね。
脚本家別おすすめ作品まとめ(見られる配信とともに)
脚本家 | 代表作イメージ | 具体的な作品 | 配信サービス |
---|---|---|---|
槌谷 健 | 社会派×ヒューマン群像 | インビジブル 下町ロケット |
Netflix(インビジブル) |
及川 真実 | 家族×再生のストーリー | マイ・ダディ | Prime Video |
李 正美 | 群像劇×リアルな職場 | ドラゴン桜 VIVANT |
Netflix |
谷 碧仁 | 専門性重視の社会派 | ||
守口 悠介 | 成長ドラマ・中盤の転機 | ハコビヤ | U-NEXT |
北浦 勝大 | 硬派な社会構造系ドラマ | クライムファミリー | FOD |
複数脚本家で作られた過去のドラマとその理由とは?
「キャスター」は6人の脚本家によるチーム執筆体制が話題になっていますが、
実はこれが“史上初”というわけではありません。
近年、ドラマ制作の現場では「1人の脚本家だけで全話を担当する」という従来のスタイルから、複数脚本家による分業制やチーム脚本という形が徐々に増えてきています。
ここでは、その背景と、実際に同様の体制で作られた過去作品を紹介します。
① VIVANT(2023年・TBS)
まず代表的なのが、日曜劇場の超話題作『VIVANT』。
表記上は「原作・演出:福澤克雄」となっていましたが、実際は脚本協力に数名の名前が挙がっており、明確な“脚本家チーム”体制で制作されたことがのちに報道やメディアで紹介されました。
国際情勢・スパイ・家族ドラマなどスケールも構造も大きな内容を一人で書ききるのは不可能に近く、チーム制が不可欠だった作品の代表例です。
「VIVANT脚本家」 八津弘幸 李正美 宮本勇人 山本奈奈 |
②アンチヒーロー
同じく日曜劇場「アンチヒーロー」も複数脚本になります。
4人の脚本家が1年の歳月をかけて作成しているですよ!
李正美
宮本勇人
福田哲平
③離婚しようよ
『離婚しようよ』(2023年・Netflix)
宮藤官九郎 大石静 |
④下町ロケット
同じく日曜劇場の「下町ロケット」も複数脚本になります。
特に「下町ロケットシーズン2」は、4人の脚本家になります。
八津弘幸
稲葉一広「下町ロケット2018年版」
丑尾健太郎
槌谷健
神田優
吉田真侑子
複数脚本を調べてみると、すごく少なかったです。
複数脚本は、楽な反面お互いの意見を尊重することが重要になり、問題が起こることもしばしば。
そんなことから日本では複数脚本は珍しいです。
海外ドラマでは、話ごとに脚本家が変わることも珍しくなく、出演しているキャストが1話脚本(ショーランナー)を務めることもあるですよ。
これから日本も複数脚本で製作されるドラマが増えていくでしょう。
なぜ複数脚本家が選ばれるのか?
● 理由①:専門知識が必要
→ 報道・医療・法律などの分野では、一人の知識だけでは限界がある
● 理由②:スケジュール管理
→ 放送日が決まっている連ドラでは、全話を1人で書くのが物理的に難しい
● 理由③:視点を多層的にするため
→ 視聴者の多様性に応じて、様々な価値観や感情を反映させる意図

「キャスター」におけるチーム脚本の新しさ
『キャスター』はこうした流れの中でも、6人の脚本家を正式にクレジットに出した点が非常に特徴的です。
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「分業」と「共同性」のバランスを重視し
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エピソードごとにトーンや構成が変化し
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それでも全体が1つの作品としてまとまっている
という、まさに“今の時代らしい作り方”がされている作品なんです。
まとめ:複数脚本はこれから主流になる?
ドラマ『キャスター』は、6人の脚本家によるチーム執筆体制で制作されている異色の作品です。
脚本家として参加しているのは、槌谷健、及川真実、李正美、谷碧仁、守口悠介、北浦勝大の6名。
それぞれ得意なジャンルや作風が異なり、社会派、サスペンス、人間ドラマなど多彩な視点が交錯する構成は、まさに共同脚本ならではの魅力です。
特に谷碧仁さんと守口悠介さんは、サスペンスや刑事ものに強く、緊張感のある展開に深みを加えています。
こうした脚本家チーム体制は、近年では『VIVANT』などでも見られた手法で、専門性や複雑な物語を描くうえで有効な手段として注目されています。
『キャスター』をより深く楽しむには、「この回は誰の色が強い?」と想像しながら見るのもおすすめ。
複数脚本ならではの多層的なストーリーに、ぜひ注目してみてください。